料理やお菓子作りで「とろみ」をつけたいときに使われる「葛粉」と「片栗粉」。
どちらも見た目が似ている粉状の食品ですが、実は原料や特性が大きく異なります。
葛粉は「クズ」という植物の根から取れる天然のでんぷんで、透明感のある上品なとろみが特徴。
一方、片栗粉はジャガイモのでんぷんから作られており、一般的な料理のとろみ付けや揚げ物の衣に使われることが多いです。
✔ 葛粉と片栗粉の主な違い
- 原料 → 葛粉はクズの根、片栗粉はジャガイモ
- 透明度 → 葛粉は透明感があり、片栗粉は白濁する
- とろみの質 → 葛粉はなめらか、片栗粉はややもったり
- 使い道 → 葛粉は和菓子や高級料理向け、片栗粉は炒め物やスープ向け

この違いを詳しく知ることで、料理の仕上がりをより美味しくすることができます!
葛粉とは?原材料や特徴を解説
葛粉は、「クズ」というマメ科の植物の根から抽出したデンプンを乾燥させたものです。
特に「本葛粉(ほんくずこ)」と呼ばれるものは、純度が高く、伝統的な製法で時間をかけて作られるため、とても高価です。
葛粉の特徴として、以下の点が挙げられます。
- 透明感のあるとろみ:加熱すると澄んだ色合いになる
- なめらかな食感:独特のもちもち感と口どけの良さ
- 風味がある:ほんのり自然な甘みが感じられる
- 高価で手に入りにくい:純度の高い本葛粉は価格が高め
この性質を活かし、和菓子(葛餅、葛きり)、上品なあんかけ料理、喉にやさしい葛湯などに使われます。
片栗粉とは?原材料や特徴を解説
片栗粉は、もともとカタクリの根から作られていたことが名前の由来ですが、現在ではじゃがいも由来のデンプンで作られています。
価格が手頃で、スーパーなどでも手に入りやすいのが魅力です。
片栗粉の特徴は以下のとおりです。
- 白濁したとろみ:加熱するとやや濁った状態になる
- 粘り気が強い:冷めると固まりやすい
- サクッとした衣を作れる:揚げ物の衣としても優秀
- 安価で手に入りやすい:家庭料理で幅広く活躍
とろみ付け(中華料理や和食のあん)、揚げ物の衣(唐揚げ・天ぷら)、プリンやゼリーの固め材料など、さまざまな料理に使われます。
葛粉と片栗粉の違いを比較
比較項目 | 葛粉 | 片栗粉 |
---|---|---|
原料 | クズの根 | ジャガイモ |
透明度 | 透明感がある | 白く濁る |
とろみの質 | なめらかで上品 | もったりとしてしっかり |
用途 | 和菓子、高級料理、スープ | とろみ付け、揚げ物、炒め物 |
価格 | 高価 | 安価 |
栄養価 | ミネラルが豊富 | 炭水化物が主成分 |
透明度の違い
葛粉は加熱すると透明感のあるとろみがつくのが特徴で、くず湯や和菓子によく使われます。
対して、片栗粉は白く濁るため、中華料理のスープや餡に向いています。
とろみの質の違い
葛粉は上品でなめらかなとろみがつくのに対し、片栗粉はもったりとした質感でしっかりと粘度を出します。
料理の仕上がりを考えて使い分けましょう。
用途の違い
葛粉は和菓子や高級料理に使われ、片栗粉は家庭料理で幅広く使われます。
普段の料理には片栗粉、特別な一品には葛粉が適しています。
葛粉と片栗粉の共通点
- とろみをつけるための粉である
- 水溶きして使うのが一般的
- 加熱すると粘度が増す
- 料理やお菓子作りに利用される
とろみをつけるための粉
どちらも料理にとろみをつけるために使われますが、仕上がりの質感や透明度が異なります。
用途に応じて使い分けましょう。
水溶きして使う
どちらもそのまま入れるとダマになりやすいので、水に溶いてから加えるのが基本です。
水溶きせずに直接入れると、ダマができてしまうので注意が必要です。
料理への使い方の違い|どんな料理に適している?
「葛粉」と「片栗粉」は、使う料理によって適材適所があります。
葛粉が向いている料理
- 葛餅・葛きり(なめらかな食感を活かす)
- 上品なあんかけ料理(透明感のあるとろみがきれい)
- 葛湯(体を温める飲み物として人気)
- 和風デザートのとろみ付け(ぜんざいやくず練り)
片栗粉が向いている料理
- 中華料理のとろみ付け(麻婆豆腐、八宝菜など)
- 揚げ物の衣(唐揚げ、天ぷらのサクサク感を出す)
- 煮物のとろみ付け(肉じゃがや和風シチュー)
- プリンやゼリーの固め材料(熱で粘度が出る性質を利用)

「和の繊細な料理」には葛粉、「しっかりしたとろみが必要な料理」には片栗粉、と覚えておくと便利です!
葛粉と片栗粉の栄養価の違い
栄養面では、葛粉と片栗粉には違いがあります。
栄養素 | 葛粉(100gあたり) | 片栗粉(100gあたり) |
---|---|---|
カロリー | 約350kcal | 約330kcal |
炭水化物 | 約85g | 約81g |
食物繊維 | 約0.5g | ほぼ0g |
GI値(血糖値の上昇度) | 40前後(低GI) | 85前後(高GI) |
栄養価のポイント
- 葛粉は低GI食品なので、血糖値が急激に上がりにくい
- 片栗粉は高GI食品で、エネルギー補給には向いている
- 葛粉には、わずかですが食物繊維が含まれる

ダイエット中や血糖値を気にする場合は、片栗粉よりも葛粉を選ぶのが良いですね♪
ダイエットにはどっちがいい?カロリー・GI値の比較
ダイエット中に「とろみをつけたいけど、どちらを使うべき?」と迷うことがありますよね。
結論から言うと、ダイエット向きなのは葛粉です。
その理由をカロリーとGI値(血糖値の上がりやすさ)の面から見ていきましょう。
項目 | 葛粉 | 片栗粉 |
---|---|---|
カロリー(100gあたり) | 約350kcal | 約330kcal |
GI値(血糖値の上昇度) | 約40(低GI) | 約85(高GI) |
カロリー自体はそれほど大きな差はありませんが、GI値が低い葛粉の方が血糖値が急上昇しにくく、脂肪を溜めにくいというメリットがあります。
また、葛粉には少量ながら食物繊維が含まれているため、腸内環境を整える効果も期待できます。
一方で片栗粉は高GI食品のため、血糖値を急上昇させやすく、糖質の摂取が気になる方には向いていません。

ダイエット中にとろみをつけたいなら、片栗粉よりも葛粉を選ぶのがおすすめです♪
葛粉と片栗粉のとろみの付け方のコツ
「葛粉も片栗粉もうまくとろみがつかない…」そんなお悩みはありませんか?
それぞれの粉には、適切なとろみの付け方があるので、基本のコツを押さえておきましょう。
葛粉のとろみ付けのコツ
- 水でよく溶かす(ダマになりやすいのでしっかり溶く)
- 火にかけながら絶えず混ぜる(弱火〜中火でじっくり)
- 透明になったら完成(半透明にならないと加熱不足)
✔ ポイント:火にかける前にしっかり水に溶かし、絶えずかき混ぜることが重要!
片栗粉のとろみ付けのコツ
- 水で溶いてから加える(そのまま入れるとダマになる)
- 火を止める直前に加える(加熱しすぎるととろみが飛ぶ)
- 入れたらすぐに混ぜる(手早く混ぜないと均一にならない)
✔ ポイント:沸騰させた後に入れるとダマになりやすいので、火を弱めてから加えると◎

どちらも共通して「水でよく溶かす」「しっかり混ぜる」ことが成功の秘訣です!
失敗しない使い分けのポイント
「とろみをつけたいけど、どっちを使うのが正解?」と迷う方のために、失敗しない使い分けのポイントをまとめました!
葛粉を使うべきシーン
- 透明感が欲しい料理(上品なあんかけ、和菓子など)
- なめらかな食感を出したい(葛湯、葛練りなど)
- ダイエット中・血糖値が気になるとき(低GI食品)
片栗粉を使うべきシーン
- しっかりとしたとろみが欲しい料理(中華料理、煮物など)
- 揚げ物の衣にしたい(唐揚げ、天ぷら)
- コスパ重視で使いたい(安価で手に入りやすい)
特に、とろみの質感にこだわる料理では、葛粉と片栗粉の違いが大きく影響します。

料理の目的に応じて、上手に使い分けましょう!
葛粉と片栗粉の代用はできる?注意点を解説
「片栗粉がないから葛粉で代用できる?」「葛粉の代わりに片栗粉を使える?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
結論としては、代用は可能ですが、仕上がりが変わる点に注意が必要です。
片栗粉の代わりに葛粉を使う場合
✔ 可能だけど、透明感が出る&とろみがやさしくなる
- 中華料理のとろみ付けにはOK(ただし、とろみは控えめになる)
- 揚げ物の衣には不向き(サクサク感が出にくい)
- 料理の見た目が変わる(白濁したとろみではなく透明感が出る)
葛粉の代わりに片栗粉を使う場合
✔ 可能だけど、透明感がなくなり、食感が変わる
- 和菓子(葛餅・葛きり)の代用には向かない(食感が違いすぎる)
- 葛湯の代わりに片栗粉を使うと、粘り気が強くなりすぎる
- 料理の見た目が濁る(上品な仕上がりにしたい場合は注意)

代用は可能ですが、とろみの質感や仕上がりの違いを理解して使うことが大切です。
高級な葛粉と安価な片栗粉、コスパで選ぶなら?
料理にこだわる人ほど、「葛粉を使いたいけど高価だから迷う…」と思うこともありますよね。
実際、コスパを考えた場合、どちらを選ぶのが良いのでしょうか?
項目 | 葛粉 | 片栗粉 |
---|---|---|
価格 | 高価(100g 500円~1,500円) | 安価(100g 100円前後) |
使う量 | 少量で十分なとろみがつく | 多めに使わないととろみが安定しない |
仕上がり | 上品で透明感がある | しっかりしたとろみがつくが白濁する |
コスパで選ぶなら?
✔ コスパ重視なら片栗粉(安価で使いやすい)
✔ 料理の質を重視するなら葛粉(高価でも少量で満足感がある)
「普段の料理には片栗粉、特別な料理や和菓子作りには葛粉」というように、シーンに応じて使い分けるのが賢い選択です!
葛粉を選ぶときのポイント|本葛と混ざり物の違い
スーパーなどで「葛粉」を見かけることがありますが、実はすべてが純粋な「本葛粉」ではないことをご存知ですか?
本葛粉と混ざり物の違い
- 本葛粉(100%):クズの根から作られた純度の高い葛粉(高価)
- 混ぜ物入り葛粉:馬鈴薯(じゃがいも)デンプンなどが混ざっている(安価)
本葛粉の見分け方
✔ 原材料をチェック:「本葛100%」と書かれているものを選ぶ
✔ 価格が高め:純度の高い本葛は高価だが、風味や食感が格別
✔ 粉の見た目:純粋な本葛粉は、粒が大きくて不均一

本葛粉は値段が高いですが、本物ならではの風味や食感を楽しめるのが魅力です♪
片栗粉の種類と選び方|市販品の違いを知ろう
片栗粉はどれも同じように見えますが、実は市販品にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴があります。
料理の用途に合わせて選ぶと、仕上がりがさらに良くなりますよ!
片栗粉の種類と特徴
-
一般的な片栗粉(馬鈴薯デンプン100%)
- スーパーで手に入る最もポピュラーなタイプ
- とろみ付けや揚げ物に万能に使える
- 加熱すると粘度が強く、白濁したとろみになる
-
コーンスターチ入り片栗粉
- 片栗粉にコーンスターチをブレンドしたタイプ
- とろみが少し弱めで、口当たりが軽い
- スープやプリン、カスタードクリームに向いている
-
国産馬鈴薯デンプン使用の片栗粉
- 国内産のじゃがいもから作られた高品質な片栗粉
- 粘り気が強く、揚げ物がカラッと仕上がる
- 価格はやや高めだが、風味が良い
選び方のポイント
✔ 揚げ物なら「国産馬鈴薯デンプン100%」がベスト(サクサク感UP)
✔ なめらかなとろみを求めるなら「コーンスターチ入り」
✔ 基本の料理には「一般的な片栗粉」でOK
料理によって片栗粉を使い分けることで、よりおいしく仕上がります!
まとめ|葛粉と片栗粉を賢く使い分けよう!
葛粉と片栗粉はどちらも便利な食材ですが、それぞれの違いを理解すると、料理の仕上がりが格段にアップします!
✔ 葛粉と片栗粉の違いまとめ
- 葛粉はクズの根、片栗粉はじゃがいもが原料
- 葛粉は透明感があり、片栗粉は白濁したとろみ
- 葛粉は上品でなめらかな仕上がり、片栗粉は粘度が強い
- ダイエットにはGI値の低い葛粉が◎
- コスパ重視なら片栗粉、質を求めるなら本葛粉
✔ 使い分けのポイント
- 上品な和菓子や繊細なあんかけ → 葛粉
- 中華料理や揚げ物の衣 → 片栗粉
- ダイエット中や血糖値が気になるなら葛粉を選ぶ

普段の料理には片栗粉、特別な料理には葛粉、とシーンに応じて使い分けることで、料理の質がワンランクアップしますよ!